Talk 02
Special talk

ヘッドロックでのゲームづくりを語る

建設的な議論の積み重ねが、
美しいグラフィックを実現する。

プロジェクトトーク

企画×ゲームエンジニアリング×デザイン

過去タイトルのシステムを活用し、低予算からスタートしたプロジェクト。
制約がある中で、美しいグラフィックをつくるために奮闘したメンバーたちに、
その工夫の数々やゲームの見所、今後について語ってもらいました。

Member

  • S.Y.
    企画部 プロジェクトマネージャー
    入社15年目

    プロジェクト全体の指揮役として、顧客対応・スケジュール管理を担当。

  • M.K.
    企画部
    プランナー
    入社15年目

    登場する各キャラクターの必殺技をメインとした演出・SE考案を手掛けた。

  • K.M.
    ゲームグラフィック制作部
    グラフィッカー
    入社4年目

    グラフィックチームのリーダーとして、プロジェクトの円滑な進行に貢献。

  • I.O.
    ゲームグラフィック制作部
    グラフィッカー
    入社4年目

    エフェクト担当。映像業界出身、実写の経験を活かしたアイデア提案が得意。

  • T.O.
    ゲームエンジニアリング部
    プログラマー
    入社18年目

    グラフィックへの絶対的な強みを活かし、クライアントプログラミングに横断的に携わった。

  • S.D.
    ゲームエンジニアリング部
    プログラマー
    入社12年目

    クライアント側のリードエンジニアとして、メンバー・スケジュール管理を担当。

新たな技術を取り入れる、
トライ&エラーの繰り返し。

  • I.O.
    グラフィッカー

    過去のタイトルの要件や仕組みを使って、汎用的なモーションとエフェクトを実装するために、トライ&エラーを繰り返しました覚えがあります。エンジニア・デザイナー陣はすごく苦労しましたよね。全く違うモデルで、過去タイトルと同じ動きをさせる仕組みを作ったみたいな。

  • S.D.
    プログラマー

    見た目からはその苦労が見えないですけどね。

  • K.M.
    グラフィッカー

    めちゃくちゃ大変でしたね。シェーディングも苦労していたし。

  • I.O.
    グラフィッカー

    予算の関係からライティングにかかる演出工数を抑えようと思い、MatCapを活用するのが最初の方針でした。
    前回のプロジェクトでは、エフェクトがライティングを行っていたのでエフェクト工数は減りましたが、「より綺麗に見せたいから前髪に影を落としたい」という要望がありまして結局モデルさんに皺寄せが。

    ※MatCap…オブジェクトの表面に質感や光の反射・影を与える技術

    MatCap一例
  • S.Y.
    プロジェクトマネージャー

    リギングをどっちがやるかというのは、プロジェクトによって異なりますからね。グラフィッカーの皆さんは汎用的なモーションも含め、研究開発というか、いろいろトライしてみましたよね。

  • I.O.
    グラフィッカー

    それでいうと、Post Processingの機能追加ですかね。流行りのメジャーゲームも取り入れていますし、うちの会社としても技術開発していかなくちゃいけないと思い、追加した感じですね。

  • K.M.
    グラフィッカー

    いろんな画面効果が簡単に得られますからね。

  • I.O.
    グラフィッカー

    はい、プログラマーのT.O.さんと何度もやりとりして実装しました。希望をT.O.さんに伝えて、コードを書いてもらい、フィードバックの繰り返しで精度を上げていきました。Post Processingの活用はうまくはまったと思います。T.O.さんは大変でしたか?

  • T.O.
    プログラマー

    そのままだと重いので、軽い方法をいろいろ考えました。I.O.くんの要望に対しても「無理なものは無理」と言いながら、「これはどうですか?」と繰り返して、落ち着いた感じですよね。

  • I.O.
    グラフィッカー

    3ヶ月程掛かりましたね。時間を見つけ次第、何度もトライ&エラーをT.O.さんと行っていました。

制約がある中での奮闘、
美しいグラフィックのために。

  • S.Y.
    プロジェクトマネージャー

    スマホの対応端末についてもオーダーがありましたね。端末が熱くならないでプレイできるように。チューニングするっていうのもエンジニア的には大変でしたよね?

  • S.D.
    プログラマー

    最低端末の要件がiPhone 6sでしたからね。最近のゲームはiPhone11や12とかで、下切りしているものも多い中で、6sまで幅広くなると維持が大変だなと。

  • T.O.
    プログラマー

    要望に応えたい気持ちはありつつも、最低端末が決まっている中でポリゴン数が増えると、端末への負担が増えてしまうし。

  • K.M.
    グラフィッカー

    そうですよね、さらにマルチ(=同時対戦)をやるっていうプロジェクトでしたから。決められた制限の中で骨数をいかに少なく、ポリゴン数も減らしながら綺麗に見せるかいう点では苦労しましたが、最終的にはクライアントさんの要望に応えられたのではないかと思いますよ。

  • S.Y.
    プロジェクトマネージャー

    キャラクターも可愛いし、画面も綺麗だと思います。

  • K.M.
    グラフィッカー

    ありがとうございます。プランナーのM.K.さんとプログラマーのS.D.さんはカメラのことでいろいろ頑張っていましたよね。

  • S.D.
    プログラマー

    そうですね、開発初期は、「固定のカメラと画角でお願いします」という話でしたけど、それでは対応しきれなくて。今はバトルに出てくるキャラクター数や敵の身長の高さといった状況に応じて、プログラムで自動的にカメラの位置や向きがいい感じに変わるようになっています。

  • S.Y.
    プロジェクトマネージャー

    皆さん、制約がある中で頑張っていただいて。他のプロジェクトだと、グラフィッカーとエンジニアで意見の食い違いで話が進まない事なんかがよくありますから。グラフィッカーはめちゃくちゃいい見た目にしたいし、エンジニアはメモリとか処理を抑えたいといった理由で。今回は、皆さん協力的に進めていただいて感謝です。

クオリティを高めるための
コミュニケーションの重要性

  • I.O.
    グラフィッカー

    このプロジェクトの皆さんは、否定から入ることはないので、凄くやりやすいです。お互いに話を聞き、落とし所を探り合って実装する考えを持った方が多いように感じます。

  • K.M.
    グラフィッカー

    私は3年前に転職してきましたけど。クオリティを追求していく姿勢が、この会社はかなり強い気がします。予算的な制約はありつつも、どうしてもどこかで諦めなくちゃいけないところが出てくるんですけど、それでもなんかとかやってみるだけやってみようみたいな雰囲気はありますね。

  • S.Y.
    プロジェクトマネージャー

    そうですね。グラフィッカーのお二人をはじめ、転職組の人たちが「よそではこんなことやってるよ」と教えてくれた情報が、うちの会社的にはすごくフレッシュでした。特にI.O.さんは「これやりたい」というアイデアがいっぱいありましたよね。このプロジェクトでは、新しい意見や提案も一旦は検証してみようみたい雰囲気があったので、技術的な研究みたい部分もすごく捗ったんじゃないかと思います。

  • T.O.
    プログラマー

    今までI.O.くんのようなタイプの人と仕事したことはなかったのですごく勉強になりました。映像業界のこととかもいろいろ教えてもらって、「なるほど、こんな画面効果があるんだ」みたい刺激をたくさん受けました。僕のやり方として、クオリティは保ちつつも、メモリや負荷を重くしたくないので余計なものは実装したくないという思いがありました。I.O.くんとは、そこら辺もうまくコミュニケーションを取り合って、必要なものだけを軽く実装できたんじゃないかな。

  • S.Y.
    プロジェクトマネージャー

    T.O.さんが、I.O.さんのことの居ないところで、実はめちゃくちゃ褒めてたよ。

  • I.O.
    グラフィッカー

    ありがとうございます。僕もT.O.さんなしにはありえかったです。映像的表現をスマホゲームに実装してみたい。。。ただ、僕はエンジニアじゃないのでわからないです。そんな時にT.O.さんに相談すると、すぐに返答が帰ってきます。コミュニケーションが取りやすく、大変助かりました。

  • S.Y.
    プロジェクトマネージャー

    T.O.さんとI.O.さんの働きももちろん良かったけど、プロジェクト全体でうまくやれたのはK.M.さんの力が大きかったと思います。K.M.さんが基本的にグラフィックのことは、顧客交渉からメンバーや予算の管理までしっかり把握して進めていただけた。プロジェクトの潤滑油的な存在として欠かせませんでした。

  • K.M.
    グラフィッカー

    ありがとうございます。見た目から若くみられることが多いですけど、経験は積んできましたから(笑)

  • M.K.
    プランナー

    僕もグラフィッカーとエンジニア陣には感謝です。必殺技に関しても、自分の要望をしっかり叶えてもらいました。

チームの力で生み出した、
見所満載の必殺技。

  • S.Y.
    プロジェクトマネージャー

    M.K.さんといえば、夏イベントの必殺技ですかね。

  • M.K.
    プランナー

    はい。1枚のラフイラストをもとに着想した感じですね。モーション、エフェクト、モデルのメンバーも呼んで、意見を出し合って、演出案とコンテを作り上げていきました。キャラクターを可愛く見せたいので、どれだけ激しい動きをしても1回は顔をアップするように気を遣いました。海っぽい表現に関しては完全にエフェクト頼みでした、めちゃくちゃいいです、大満足ですよ。

    夏イベントのビジュアル(一部)
  • I.O.
    グラフィッカー

    海を作った方がいいかなと思って、K.M.さんに見てもらって、何回かやりとりして、今の形になりましたね。

  • M.K.
    プランナー

    最初は薄い水っぽいのを敷いて、疑似的に海感を出せればと思っていたけど、すごくこだわってやってもらって。

  • K.M.
    グラフィッカー

    テクスチャーの容量がすごかった記憶が。

  • I.O.
    グラフィッカー

    そうですね、砂浜の浅瀬みたいなイメージだったので、5枚ぐらいテクスチャー使ってるかな。それでプログラマーさんT.O.さんに心配されて、みたいな(笑)

  • S.Y.
    プロジェクトマネージャー

    来年の夏はまた違う海の必殺技を考えないといけない。

  • M.K.
    プランナー

    今回、夏の水着キャラってことだったんでちょっと豪華にしたんですけど。これをデフォルトとして考えられちゃうと、ちょっと困ってしまうかも(笑)

  • T.O.
    プログラマー

    そうですね、ハードルが上がると大変ですから。

  • 一同

    (笑)

このメンバーだからやり遂げられた、
これからも面白いゲームを。

  • T.O.
    プログラマー

    この機会だから、プロジェクトマネージャーのS.Y.君に感謝を伝えたい。僕の振る舞いを自由にさせてもらうことで、グラフィッカーさん達と十分に試行錯誤することができて、良い成果が得られたのだと思っています。

  • S.D.
    プログラマー

    T.O.さん以外の別のエンジニアは作業内容とスケジュールが決まっているんですけど、T.O.さんは特例で自由でしたね。

  • S.Y.
    プロジェクトマネージャー

    今回はS.D.さんにリードエンジニアを務めてもらって、メンバーやスケジュールの管理をお願いしました。T.O.さんもスキルと経験的には本来ならリードエンジニアを務めるべき人なんだけど、それではT.O.さんのグラフィック面での強みが活かせないと思って。あえてフリー的なポジションでグラフィック面に幅広く関わっていただけるようにしました。

  • K.M.
    グラフィッカー

    S.Y.さんが、T.O.さんの力を最大限に発揮できるような形にしたみたいな。

  • S.Y.
    プロジェクトマネージャー

    そう言ってもらえると、聞こえがいいですね。元々はT.O.さん、僕の上司なんですよ。エンジニア時代にこれだけグラフィックに強いエンジニアはいないと思っていたので、T.O.さんがこのプロジェクトに入ったら、是非フリーな立ち位置でいてほしいと考えていました。

  • K.M.
    グラフィッカー

    制約のある中で、グラフィックを綺麗に見せるためにはT.O.さんの力が絶対に必要だったんですね。
    今回は、みんながそれぞれの持ち場でしっかり活躍してくれた印象があります。

  • M.K.
    プランナー

    そうですね、プロジェクトの収益的な成功も大事ですけど、開発する上で皆さんのやりたいことをいろいろ試せたっていうのも、今後も活きそうですよね。

  • S.Y.
    プロジェクトマネージャー

    そうやって皆さんに作っていただいたグラフィック部分はお客様からもすごく褒めてもらっています。
    オリジナルストーリーがあるプロジェクトということもあり、原作を超えるくらいにヒットすればいいねということをよくクライアントのプロデューサーと話しています。今後のアップデートでも面白いものをユーザーに提供していきたいですね、皆さんこれからも頑張っていきましょう。